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パスワード以外の認証方式の課題 のバックアップ(No.1)


・パスワードについて?

パスワード以外の認証方式にも課題や脆弱性の指摘を解説します。また、認証に関わる留意事項も解説します。

スマートカードログオンに関する課題

スマートカードは多要素認証の代表格であり、単一認証に比べればはるかに強固な認証ソリューションを提供します。スマートカード(所有)とPIN(知識)という組み合わせが必要なため、たとえPINが漏洩してもスマートカードがなければ攻撃が成功しないとされています。
しかし、スマートカードログオンでも、Windowsの場合はNTLMハッシュを生成されることから、NTLMハッシュを悪用するPass The Hash攻撃に対して万全という事はいえません。NTLMハッシュが窃取されてしまえばスマートカードがなくてもログオンは成功します。従って、スマートカードアカウントの定期的なハッシュのローテーションは必須であり、Credential Guard などのソリューションを組み合わせることで、NTLMハッシュを保護しなければ、期待される効果が発揮されません。
また、紛失や盗難があった場合、スマートカード再発行までの期間、代替の認証方式を用意する必要があり、また、安全な物理的配布と本人確認などの課題があります。

生体認証に関する課題

生体認証は顏、指紋、静脈などの生体情報を使った認証であり、スマートカード(所有)やハードウェアワンタイムパスワード(所有)に比べて持ち歩く必要がなく、紛失や盗難などが起こらないというメリットがあります。しかし、生体情報が漏洩した場合、代替が困難なことから、認証側での生体情報の保持を厳重にする必要があります。また、生体認証は誤認識による他人認識や本人拒否があり、確率的な認証方式といえます。重要な情報資産を操作する際に決定的でなく、確率的であるとことは、他の要素との組み合わせが必須であることから、知識や所有との組み合わせが必須となってきます。
但し、本人確認の上で引き渡されたスマートフォン(所有)と顔認証(生体)とPIN(知識)は強固であり、今後、期待できる認証方式といえます。